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続 ・ お話

 こんにちは、羽鳥です。

 以前書いた、ロートと恋人さんのお話の続きですよ。

 えー‥‥シリアスになってきました。というかですね、脳内設定大公開みたいな‥‥

 シリアス部分入れなくても話は通じるのですけども、その、ロートはバカやってるだけじゃないんだとお伝えしたかったといますか‥‥前回いろんな方から「ほのぼの」と言われて奮起したといいますか‥‥

 リクエストを受けて書いているのだから入れないほうがいいのかなと悩みました。でも結論が出ずに入れたままです。

 皆さんの反応によっては、削ります。

 (削るにしろ削らないにしろ、次回で終わる予定です)

 ロートには、ひとりになるとよく考えることがある。それは、今繋いでいる手のぬくもりが示す、未来。
 手放したくないとは思う。そもそも、他人に渡す気など毛頭ない。
 だが迷う。このまま進んでいいのか、と。共に歩ませていいのか、と。
 なぜなら――ロートは自身の未来を脳裏に描くことができないから。
 やりたいことはある。なりたいものもある。けれどそれを実現させている自分の姿を思い浮かべることはできない。
 だからふたりの未来も描けず、それゆえに、彼女が望む言葉を先延ばしにしている。

 そんな自分が情けなくて、報告書をつづる手も、ふと止まってしまう。
 止まった手に気づいて、また書き始める。
 また止まる。
 また書く。
 その、繰り返し。

 報告書の完成も、自然と時間がかかるようになった。

 *

 キャメロット郊外の草原。風になびく草の間を歩いて、ロートとライカのふたりは一本の木を発見した。青々と葉を茂らせたその木は、下に涼しげな陰を作っている。
 そろそろ空腹に我慢のできなくなっていたロートは、木陰で弁当を広げることを提案――ライカはにっこり笑って了承した。
「うん、うまい!!」
 弁当の中身は簡単な料理ばかりなれど、その素朴さが味わいを増している。ジャパン料理が何点かまざっており、目新しさが食欲を刺激して、あっという間にバスケットの半分以上が空になった。
 自分が作ったものをおいしく食べてもらえるのは嬉しいことである。が、ライカは何かが引っかかるのを感じ、ハーブティーを注ぎつつ尋ねてみた。
「ねえロート君。昨日のお夕飯は何を食べたのかしら?」
 すると、カップを差し出していたロートが凍りついた。
 視線を泳がせつつ冷や汗をたらす姿はあからさまに挙動不審であり、ライカの考えが正しいことを告げていた。
「‥‥食べていないのね」
 困った人だこと。言いつつライカは苦笑した。
「きっ、昨日の夜は‥‥報告書の、追い込みを始めてて‥‥その、食う暇がなかったと言うか、食うことを忘れてたと言うか‥‥」
「ちゃんと食べなくちゃ、頭も働かないわよ。途中でおなかがすかないの?」
「時々、腹減ったなとは思うけど‥‥ほっとけばじきに感じなくなるし」
 ロートの言い訳は子供じみていて、どこか危うさを感じさせる。だからこそ放っておけなくなるのかもしれないが。
「その調子だと、昨夜はずっと起きていたみたいね」
 ため息まじりにぼやくのも、いつか体を壊してしまうのではないかと心配になるからで。
 そんなライカの気持ちを知ってか知らずか、ロートはなんでわかるのかと驚きの表情を浮かべている。‥‥バレないだろうと思っていたらしい。
 ライカはロートの手からカップを取り上げた。そしてそのカップを横に置き、今度はロートの腕を引き寄せる。呆然としていたロートは、特に抵抗することもなく、ライカの膝に頭を乗せて寝転ぶ格好になった。
「ラ‥‥ライカ?」
「ダメよ、眠らないと」
「いや、でも」
「眠ってちょうだいな。あなたの寝顔を見させてほしいの」
 さらりと囁かれては、以降の反論もできず。
 せめて羞恥心を押さえつけるため、横を向いて、ロートは目を閉じた。

 *

 憧れが、同時に恐怖でもある。

 ロートはこの世に生を受けた直後に、その生を授けてくれた者に捨てられた。だから家族というものを知らない。同じ孤児院で育った者はいるが、彼らはロートにとって家族ではなく、仲間だった。
 恋人とふたりで共に未来を歩むということは、恋人と家族になるということであり、新しい家族を作っていくということでもある。
 自分の家族。明確にほしいと願ったことはない。仲間がいて、師匠がいて。ロートはひとりではなかったから、それだけで十分だった。
 十分ではあったが、やはり憧れはあった。
 両親に手を引かれる、自分と同じくらいの年齢の子供を見ているうちに、前方をすたすたと歩いていく師匠に置いていかれそうになったことがある。
 手に入るのなら、もちろん喜ばしいことだ。
 しかし同時に思う。家族を知らない者が家族を作れるのかと。
 気の利いた者ならば「家族は作るものではない、なるものだ」とでも言うことだろう。‥‥所詮奇麗事だ。恐怖するのに理屈はいらない。

 大切だからこそ。望むからこそ。
 ロートはそれを得るために手を伸ばすことができずにいる。
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読まれたー(ぇ

>きさとさん
お許しいただけたようで、ほっとしております。

漫画などでよくある悩みですけども、本人にとっては超一級の悩みです。過去は‥‥そういえばあまり流出させていないですね、改めて思い返してみると。ライトニングサンダーボルトを覚えるのに三日三晩椅子にくくりつけられたとかそれくらいで。

ロートには精進させます、はい。

>MISTさん
自分で書いておいてなんですが、私も良いカップルだと思っておりますよ。年下の彼氏、年上の彼女は私の萌えのひとつでもありますので。

お二方のためにも、続きを頑張りますです。

読みましたよ~(・w・)ノ

シリアスは大好物であります(-w-)ノ
ロートさんとライカさん、良い恋人達ですねぇ

叢|w・)最終話、楽しみに待って居りますよ~

読みましたよー

続きを楽しみしておりました。今回も、どきどきしながら読ませて頂きました(笑)

そういえば、ライカはロートさんの過去をあまり詳しく知らないんですよね。孤児院で育てられた、ということぐらいしか。
ライカはプロフにもある通り、ごくごく一般的な家庭で、大切に育てられましたから、恋人の葛藤が全部わかってあげられないところがあって、辛いところもあるのだと思います。
だから、出来る限りロートさんが自分で納得が出来る日が来るのを、ずっと待っていると、この文章を読みながら思いました。

シリアスなところも好きですよ(笑)続きを楽しみにしております。
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